くまに追いつくblog

ぐいっと一日、2話ブログ

世界が終わるとき、人は自分と他人を比べないのではないかとの件

最後の人生の日を迎えるとき、流星によって地球が滅びる日でもいい

いまは、あの人より年収がいい、出世したい、とか、綺麗な奥さんを持っているとか、

往々にして人と比べてしまうのが世の常。でももし、3年後に地球が滅びるとしたら、

その3年後に、他の人より優れているかどうか、はもうどうでもよくて。

1日1日が自分にとって納得がいくものかどうか、で自分の人生を生きていくことに

なるのだと思う。ブランドとか、どうでもよくなるんじゃないか。

一方で、いい食事が食べたいとか、安心してあったかい布団で寝たいとか、

いい女とHしたいとか根源的な欲求は強まるのかもしれない。食欲、性欲、睡眠欲。

 

で、「この人と一緒にいたい」って欲求はなんか別物。

ある特定の人と時間を過ごしたい、っていう気持ち。別のどんなに他の人が

いいという人よりも、この人を愛してるから、一緒にいたいという気持ち。

性欲でも見栄でもなく、ただ純粋に「一緒にいたい」と強く強く思う。

それは家族かもしれない。彼女かもしれないし奥さんかもしれない。

もし自分の大切な人がいなくなってしまったら本当につらい。

 

何度もこんな想いを経験していたら、心が擦り切れて疲れてしまう。

自分の仕事どころじゃなくなってしまう。どうやって立ち直ったらいいのか

わからない、他の人に同情を求めるのでなく、死んだ心をそのまま日常生活に

持ってきてしまう。

 

でもいろんな人、学生時代の友人とか、同じジムの憧れのボクサーとかに会うことで

すこしだけだけど、数歩前まで歩く道が見えそうで安心できる。

まだもう少し歩けそうだ。

 

「首を吊って、こんな、あいつのいない世界からはおさらばだ」

そんな小説の一説が、不謹慎だけど納得感のある前向きな言葉に聞こえる。

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くまに追いつく。

 

終末のフール (集英社文庫)

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